2015-11-09 最終更新

病徴：
茎葉に発生する．発病は展開中の新葉部に多く，暗褐色，水浸状の不整形病斑が葉や茎に生じる．病斑は拡大して褐色～ 暗褐色の腐敗病斑となり，のち葉枯れおよび茎枯れを起こす．多湿時には病斑部に灰褐色，粉状の菌体が多数生じる．イカダバルスカスに発生．

病原：
Botrytis cinerea Persoon
糸状不完全菌類に属す．分生子柄は直立し，上方で樹枝状に分岐し，先端部に多数の分生子をブドウの房状に形成する．分生子形成様式は出芽型である．分生子は無色，楕円形，単細胞で，大きさ8～13.5×6～9μm，培地上では黒色，盤状，不整形，2～3mm大の菌核を豊富に形成する．菌糸の生育は5～30℃で認められ，最適温度は20～25℃である．本種の完全世代は子のう菌類のBotryiotinia fuckeliana（de Bary）Whetzelだが，本病では確認されていない．本種は多犯性で，各種野菜・花卉類などに灰色かび病を起こす．

伝染：
病斑上および罹病植物残渣上の分生子が飛散し伝染する．また，他種植物に発生した灰色かび病菌も伝染源となる．比較的冷涼で高湿度条件下で発生しやすい．

参考：
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ktpps1999/2001/48/2001_48_69/_pdf

（2012.1.23　竹内純，堀江博道）

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