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アカシア類うどんこ病

Powdery mildew

2015-11-09 最終更新

病徴:
葉の両面に白色粉状の病斑を生じる.おもに幼苗に発生し,ひどい場合は枯死する.樹が生長するとおさまる.カマバアカシア(Acacia auriculiformis)とアカシア・マンギューム(A.mangium)に発生する.タイ,ベトナム,フィリピンなどの東南アジアで苗畑に発生し,問題となっている.

病原:
Pseudoidium anacardii(Noack)U.Braun & R.T.A.Cook
子のう菌類に属す.菌糸は葉や茎の表面上に分岐しながら表生し,そのところどころに付着器と分生子柄を形成する.付着器は菌糸の片側または両側から生じ,こぶし状.分生子柄は菌糸から垂直に立ち上がり,2~3細胞からなる.分生子は分生子柄の先端部に通常1個形成され,無色,単細胞,たる型~楕円形,明瞭なフィブロシン体を欠き,長径26~38μm,短径14~19μm.分生子の端部から発芽し,発芽管の先端部にこぶし状に膨らんだ付着器(Pseudoidium型)を形成する.閉子のう殻(有性世代)の形成は確認されていない.

伝染:
日本ではアカシアの栽培自体が少ないためこれまでの発生例は比較的まれで,伝染環は不明である.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002752468

(2012.1.16 高松進)

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アカシアうどんこ病(高松進)