2015-07-15 最終更新
病徴:
はじめ枝が伸びないので樹冠がずんぐりとなるが,この時点ではそれほど不健全には見えない.そのうち樹冠全体の枝伸びが極端に悪くなり,葉の黄化と減少,旧年葉の早期落葉も相まって樹冠が透けてくるので,樹勢衰退が明瞭になる.さらに枝枯れが発生しながら徐々に衰退し,ついには枯死する.
病原:
ファイトプラズマ(Phytoplasma).種名は未定.
ファイトプラズマは,細菌類のモリキューテス綱(class Mollicutes)に属す.師管部に局在する.ファイトプラズマの16S rDNA遺伝子を特異的に増幅するプライマーを用いたPCR法により寄生を診断できる.ファイトプラズマの分類は,16S rDNAのシーケンスデータの塩基配列を基に,暫定的に’Candidatus Phytoplasma’species と命名される.
伝染:
一般にファイトプラズマは吸汁性昆虫であるヨコバイ類,ウンカ類,キジラミ類により伝染されるが,本病については媒介昆虫は未定である.
(2011.12.20 河辺祐嗣)