2015-11-10 最終更新
病徴:
5月頃に下葉を中心に白粉状の病斑を生じる.夏季に病勢は衰えるが,9月下旬ころから急激に病勢が進展し,葉の両面に白色~灰白色の粉状,円形~不整形の菌叢を生じる.のちにこれらが融合して葉全面に拡がり,菌叢は葉表に張り付いた状態で不整形,周縁が不明瞭な永存性病斑となる.10月以降,菌叢内に多数の小黒粒点(閉子のう殻)が形成される.
病原:
Erysiphe verniciferae(Henn.)U.Braun & S.Takam.
子のう菌類に属す.分生子柄は菌糸から垂直に立ち上がり,2~3細胞からなる.分生子は分生子柄の先端部に通常1個形成され,無色,単細胞,楕円形,明瞭なフィブロシン体を欠き,長径28~36μm,短径11~17μm.閉子のう殻は暗褐色,球形ないし扁球形で直径68~119μm.付属糸は閉子のう殻の赤道面から7~24本生じ,長さ94~151μm.無色か基部近くがわずかに淡褐色を呈し,真直またはしばしば中央部近くでひざ状に屈曲し,先端部が急に細まり渦巻状あるいはかぎ状に巻く.子のうは閉子のう殻あたり4~8個形成され,子のうあたり4~7個の子のう胞子を含む.
伝染:
伝染環は不明.
参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015516248
(2012.1.16 高松進)