2015-07-15 最終更新
病徴:
ハウスミカンの収穫および出荷された果実に発生することが多い.最初,果実が部分的に褐変・軟化する.果皮を剥くと,内部のアルベド部分が赤桃色になって,べたついている.これは病原細菌が増殖したものである.赤変が果実全体に広がっている場合もある.果肉の一部は軟化・腐敗している.
病原:
Serratia sp.
グラム陰性,通性嫌気性の周毛桿菌.グルコースを発酵的に分解し,オキシダーゼ活性は陰性,硝酸塩を還元し,ジャガイモをわずかに腐敗させる.黄色色素,青色色素を産生せず,種々の培地で非水溶性の赤桃色色素を産生する.発病適温は28℃前後.
伝染:
不明な部分が多いが,地表面に存在する病原菌が,果皮の傷口から侵入し,発病するのではないかと考えられる.
(2012.2.10 田代暢哉)