2015-07-15 最終更新

病徴：
カラタチ台カンキツに台木の亀裂や樹の萎縮症状，収量の低下等を生じる．検定植物のエトログシトロンには，葉のエピナスティー（上偏生長）や下垂，葉脈や葉柄の褐変，萎縮等の症状を示す．保毒するウイロイドの種類により病徴やその程度が異なる．ウイロイドの種類によっては，混合感染により病徴が激しくなる傾向が見られ，エクソコーティス病と同様に，カラタチ台木の剥皮症状が現れる例も知られる．

病原：
(1) カンキツベントリーフウイロイド　Citrus bent leaf viroid（CBLVd）
(2) ホップわい化ウイロイド　Hop stunt viroid（HpSVd）
(3) カンキツ矮化ウイロイド　Citrus dwarfing viroid（CDVd）
(4) カンキツバーククラッキングウイロイド　Citrus bark cracking viroid（CBCVd）
(5) カンキツウイロイドⅤ　Citrus viroid Ⅴ（CVd-Ⅴ）
(6) カンキツウイロイドⅥ　Citrus viroid Ⅵ（CVd-Ⅵ）
CBLVd，HpSVd，CDVd，CBCVd，CVd-VIはそれぞれCitrus viroid-Ⅰ，-Ⅱ，-Ⅲ，-Ⅳ，-OSと呼ばれ，カンキツエクソコーティスウイロイドの弱毒系統とも考えられていた．280～330塩基程度の環状一本鎖RNA．ミカン科植物の他，CBLVdはアボカド，HpSVdはホップ，ブドウ，バラ科，ウリ科，ナス科など，CBCVdはキク科，ナス科，ウリ科など，CVd-VIはカキに感染することが知られる．

伝染：
接ぎ木伝染の他，ナイフや剪定鋏などの器具の汚染による汁液伝染．

（2011.11.28　伊藤隆男）

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