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クリスマスローズ類黒斑細菌病

こくはんさいきんびょう

Bacterial black leaf spot

2015-07-15 最終更新

病徴:
葉に黒い斑点が形成されるが,明瞭な斑点が形成されるまで1週間ほどかかる.はじめ小黒点からのちに拡大し,葉脈で囲まれたり,あるいは葉縁に,ハローを伴ったりする黒い斑点や外側がやや淡褐色となる半円形の病斑が形成される.位相差顕微鏡を用いて観察すると,病斑部から細菌の漏出がみられる.

病原:
Pseudomonas viridiflava(Bukholder 1930)Dowson 1939
グラム陰性,運動性の桿菌でNA上で薄い乳白色のコロニーを形成し,PPGA上では,乳白色で黄緑色蛍光色素を産生する.King’s B培地上で黄緑蛍光性色素を産生し,O-F試験はOである.また,ゼラチンを液化し,オキシダーゼ活性,アルギニンジヒドロラーゼ活性,硝酸還元,タバコ過敏感反応は陰性,炭素源の利用性は,グルコースなどの多数の単糖類を利用するが,スクロース,マルトース,ラクトース,トレハロースなどは利用しない.

伝染:
病原細菌は本植物体上,雑草上および土壌中に低密度で存在すると推定され,平均気温20~25℃の多湿,多雨などの好適条件により感染すると考えられる.露地で発生が多く,例年,梅雨時期など多雨,多湿の条件で発生しやすい.発病には高湿度条件が長く続く必要があると考えられる.盛夏で好天に恵まれると病勢は抑制される.

参考:
http://www.niaes.affrc.go.jp/bact/BactNew/New-Byo-02.html

(2011.11.30 佐山玲)

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クリスマスローズ類黒斑細菌病(高橋徹)

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