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チューリップ皮腐病

かわぐされびょう

Bulb-coat rot

2015-07-15 最終更新

病徴:
球根外皮に赤褐色~茶褐色の病斑が生じ,病斑部から亀裂が入り裂皮する.重症球では病斑部直下の第一鱗茎に,黄褐色で周囲が褐色のやや陥没した乾腐病斑がみられる.生育期間中の地上部にはほとんど病徴は見られない.

病原菌:
Rhizoctonia solani Kühn
糸状不完全菌類に属す.菌糸融合群はAG-2-2,培養型はⅢB.PSA培地上での菌叢は褐色を呈し,輪帯を形成する.本菌は多犯性である.イネの褐色紋枯病菌と同一の菌で,両者に病原性を示す.よって,水田あるいはその転換畑に広く生息していると推定される.

伝染:
植え付け直後には発病せず,開花後に形成される新球根の肥大期から菌の感染と発病が認められる.夏期の球根貯蔵期間中における病斑上の菌の生存率は低く,球根伝染はほとんどみられない.よって,土壌由来の菌が伝染源となる.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110002716751
http://apph.ac.affrc.go.jp/meeting/meeting57/meeting57-3.html
http://www.pref.toyama.jp/branches/1661/ennken/database/symptomdatabase/fungi/rhizoctonia/kawagusare.html

(2012.4.11 多賀由美子)

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チューリップ皮腐病(多賀由美子)