2015-07-15 最終更新
病徴:
キクの開花期ころキクにとって最も大事なつぼみのすぐ下,花梗にまず発病する.はじめ茎の一部が凹み,そこを中心に曲がり首垂れの症状を呈するが,切断してみるとその部分は導管が褐変し,これに連なる花弁から花芯まで褐変し生育不良を起こす.このため花序全体が著しい奇形や生育不良となり,商品価値を失う.2003年10月,茨城県牛久市で最初に発見された.
病原:
Stagonospora sp.
分生子果不完全菌類に属する.発病花の総苞表面には白色の菌糸および分生子殻の形成が見られる.分生子殻の直径は約148μm,分生子は長さ23~36×7.5~10.0μmで1~2個の隔壁を有する.
伝染:
茎や花弁の病斑上に形成される分生子殻から溢出する分生子が伝染源になる.ただしキクの場合は株分けで繁殖するため,発病株であることを知らずに株分けをし,株から株へ病気が拡散することが多い.
(2012.1.30 古川聡子,岸國平)