2015-07-15 最終更新
病徴:
インパチエンスでは無病徴.
病原:
Calravirus属ウイルスの1種(未同定)
Calravirus属に所属するウイルスで,ウイルス粒子はひも状で,直径約12 nm,長さ約640 nm.病葉からはDN法で多数のひも状ウイルス粒子が検出される.1989年に大阪府で得た分離株は宿主範囲が狭く,汁液接種によりインパチエンスとChenopodium amaranticolor,C. quinoaにのみ感染した.純化ウイルスは,242 nmに最小,258 nmに最大の紫外部吸収を示し,A260/A280値は1.22.沈降密度(CsCl)は1.32 g/cm3.核酸は一本鎖RNAで,分子量は約1.9×106.外被タンパク質は1種で,分子量は約34,000.本ウイルスの病葉粗汁液はゲル内二重拡散法ではHelenium virus Sなど4種のウイルスの抗血清とは反応しなかったが,免疫電顕法ではイチゴシュードマイルドイエローエッジウイルスStrawberry pseudo mild yellow edge virus抗血清と200倍希釈まで反応した.
伝染:
汁液接種容易.Calravirus属ウイルスはアブラムシにより非永続伝搬されるが,本分離株についてはモモアカアブラムシによる伝搬には成功していない.
(2011.8.30 大木理)
(画像なし)