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インパチエンス類えそ輪紋病

えそりんもんびょう

Necrotic ring

2015-07-15 最終更新

病徴:
全身の葉に汚斑状のえそ輪紋を現す.同一株でも発病の程度はやや異なり,上葉の軽い萎縮や奇形を伴うこともある.既刊日本植物病害大事典p.645「ホウセンカえそ輪紋病」と同一病害である.

病原:
クローバ葉脈黄化ウイルス Clover yellow vein virus(CYVV)
Potyvirus属に所属するウイルスで,ウイルス粒子はひも状,直径約12 nm,長さ約750 nm.病葉からはDN法でひも状ウイルス粒子とともに,シート状の細胞質封入体やひし形の封入体(dense body)が検出される.1989年に大阪で分離された分離株は,エンドウ,ソラマメ,インゲンマメになどに全身えそを,ダイズ,シロクローバなどには全身モザイクを現した.テンサイ,タバコ,ペチュニア,ツルナなどには局部感染した. ゲル内二重拡散法と免疫電顕法によりCal.35,No.30などのCYVV抗血清と明瞭に反応し,B系統などのインゲンマメ黄斑モザイクウイルスBean yellow mosaic virus(BYMV)抗血清とは反応しなかった.

伝染:
汁液接種容易.モモアカアブラムシによって容易に非永続的に伝搬され,感染マメ科植物が伝染源と考えられる.

(2011.8.30 大木理)

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インパチエンス類えそ輪紋病(大木理)