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ニンジン苗立枯病

なえたちがれびょう

Seedling damping-off

2015-07-15 最終更新

病徴:
はじめ,地際部付近に褐色の凹んだ病斑を形成し,倒伏する.病斑部と健全部の境目は明瞭であり,葉身部は赤紫色に変色して枯死する.本葉1~2葉期頃まで発生が認められる.また,発芽直後に感染した場合は芽が生育せずに枯死する.発生はおもにトンネル栽培の10~11月播きに多く見られる.

病原:
Rhizoctonia solani Kühn
糸状不完全菌類に属する.多犯性で,多くの植物に寄生し,苗立枯れ,地際部や根部の腐敗を起こす. 菌糸先端の隔壁の直ぐ下から分岐し,分岐後は直ぐに隔壁を形成する.菌糸の分岐部はややくびれる.着色した主軸菌糸の幅は平均 6.8~6.9μm で,1細胞あたりの核数は3~8個である.本菌の菌糸融合群はAG-4 とみなされている.病原菌の生育は10~35℃で認められ,最高は28℃である.

伝染:
本菌は,通常土壌中で罹病組織とともに,菌糸および菌核の形で越年して,次作への伝染源となる.

参考:
http://ci.nii.ac.jp/naid/110006644546

(2011.11.30 米本謙悟)

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