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チョロギモザイク病

Mosaic

2015-07-15 最終更新

病徴:
葉に退緑斑紋もしくはモザイク症状を呈する.全体的に生育不良となり,塊茎の収量低下をきたす.ソラマメウイルトウイルス2(broad bean wilt virus 2)と重複感染していることが多い.病原ウイルスをウイルスフリー苗に戻し接種した場合,接種葉にはかすかなモザイク症状を示す(接種7日後)のみだが,上葉には2週間以内にひだ葉の激しいモザイク症状を呈する.

病原:
チョロギモザイクウイルス
Chinese artichoke mosaic virus(ChAMV)
PotyvirusPotyvirus属のウイルス.形態は,長さ740nmのひも状粒子である.粒子はおよそ40KDaの外被タンパク質により構成されており,粒子中には10kbの一本鎖RNAを含んでいる.自然感染宿主はチョロギのみで,宿主範囲は比較的狭い.汁液(機械的)接種によりアカザ科のChenopodium amaranticolorC.quinoaの接種葉にえそ斑,ツルナの接種葉に微斑モザイク,センニチコウの接種葉にえそ輪紋を生じる.全身感染植物はナス科のNicotiana benthamianaで,モザイク症状を呈する.シソには感染しない.ソラマメウイルトウイルス2と重複感染している植物からは,C.quinoaを用いた単病斑分離により分離が可能である.

伝染:
病原ウイルスは,塊茎で伝染するほか,汁液(機械的)接種により容易に感染する.また,アブラムシ(モモアカアブラムシ,ワタアブラムシ)によって非永続的に伝搬される.

(2011.11.29 藤晋一)

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チョロギモザイク病.ChAMV単独感染株(山本英樹)

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チョロギモザイク病.自然感染株.ソラマメウイルトウイルス2との重複感染(藤晋一)

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チョロギモザイク病自然感染株.ソラマメウイルトウイルス2との重複感染(藤晋一)