2015-07-15 最終更新

病徴：
下葉が黄化し，軽い萎縮症状を示す．病徴が明瞭でない場合も多い．

病原：
（1）   ビート西部萎黄ウイルス　Beet western yellows virus（BWYV）
（2）   ソラマメウイルトウイルス　Broad bean wilt virus（BBWV）
後者はBroad bean wilt virus-2と推定されるが，完全な同定は行われていない．
BWYVは関東各地のコマツナから，BBWVは東京都のコマツナから分離されたが，いずれも戻し接種による病徴再現は行われていない．BWYVはPolerovirus属に所属するウイルスで，ウイルス粒子は直径約27 nmの小球形．宿主範囲は比較的広く，アカザ科，アブラナ科など多くの植物に発生する．BBWVはFabavirus属に所属するウイルスで，ウイルス粒子は直径約25 nmの小球形．宿主範囲は広く，アカザ科，アブラナ科など多くの植物に発生する．

伝染：
BWYVは汁液接種では伝染せず，モモアカアブラムシなどのアブラムシ類により永続的に伝搬される．BBWVは汁液接種容易．モモアカアブラムシなどのアブラムシ類により非永続的に伝搬される．いずれも伝染源は，圃場周辺の雑草と考えられる．

（2011.8.30　大木理）

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