2015-09-25 最終更新
病徴:
5月上旬より発病し,開花株では葉両面にうすくて貧相な白色の菌叢をほぼ全面に広げ,秋半ばには株全体が枯死する. その後に伸長する根出葉には濃い白粉状の菌叢を生じ,まもなく枯死落葉するが,どちらにも閉子のう殻は形成しない. 遅れて現れる越冬葉は外見的に健全にみえる.
病原:
Oidium leonuri-sibirici Sawada〔Erysiphe galeopsidis de Candolle の分生子世代〕
糸状不完全菌類に属し,分生子を形成する. 分生子柄は病葉上のほふく菌糸体より分岐直立し,1~4細胞よりなり,真直かゆるく湾曲し,頂部に分生子を連生する. 脚胞は円筒形で,27~60×8~12μmである. 分生子は楕円形か卵形で,しばしば頂部か両端がやや膨らみ,液胞を含むが,フィブロシン体を欠き,21~43×14~22μmである.本病は国外でも発生し,病原菌の完全世代も認められて,E.galeopsidisと同定されている. 国内のメハジキ菌もほかのいろいろなシソ科植物に発生する同菌の分生子世代によく一致する.
伝染:
発生生態の詳細は不明であるが,越冬株に潜伏した菌糸や近くに生える近縁なシソ科植物に形成した閉子のう殻が越冬後に子のう胞子を形成して一次伝染源になるとみられる.
(2011.10.11 丹田誠之助)