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ナシシンクイタマバエ

Resseliella yagoi Yukawa and Sato

英名:Japanese pear codling midge

ハエ目タマバエ科

2015-07-15 最終更新

幼虫がニホンナシの果芯部を食害する.樹皮下にも生息する.2009年に新種記載された.
これまで,福島県,静岡県,栃木県,千葉県,鳥取県,島根県で被害が報告されている.また,韓国からも本種による同様な被害が報告されている.

形態:
成虫の体長(翅長)は約2mm.幼虫は2~3mmで鮮紅色である.

加害作物:
【果樹】ニホンナシ.

被害と生態:
雌成虫は果実の傷口付近や樹皮下に産卵する.傷口付近で孵化した幼虫は果芯部に食入して加害する.樹皮下で孵化した幼虫はその場で発育する.10~12月になると,終齢幼虫は,被害木の下の土中や皮下,果実のていあ部で繭を形成し越冬する.被害が多かった園では,粗皮下でも営繭した終齢幼虫が多数確認される.福島県では,成虫の発生時期は越冬世代が5月中旬~6月下旬,第1世代が6月下旬~7月上旬で,その後は世代が重なる.最終世代の成虫は9月下旬~10月上旬に羽化し,年間世代数は5~6世代と考えられる.
(2011.12.30 上地奈美)

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ニホンナシ(幸水)の果芯部を加害するナシシンクイタマバエ終齢(3齢)幼虫(佐々木正剛)

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ナシホソガの加害を受けたニホンナシ(ゴールド二十世紀)の樹皮下に生息するナシシンクイタマバエ終齢(3齢)幼虫(中田健)