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タバコシストセンチュウ

Globodera tabacum (Lownsbery & Lownsbery)

英名:tobacco cyst nematode

ハリセンチュウ目ヘテロデラ科

2015-07-15 最終更新

定着性内部寄生性線虫.日本では1998年に高知県のナスから検出され,時期や経路は不明であるが,侵入害虫とされる.
国外の分布は,アメリカ,カナダ,メキシコ,キューバ,コロンビア,アルゼンチン,フランス,スペイン,ギリシャ,イタリア,旧ユーゴスラビア,モロッコ,マダガスカル,パキスタン,中国(雲南),韓国(詳細は不明).おもにタバコの害虫とされ,収量が半減することもある.北アメリカには形態と寄生植物が若干異なる3亜種がいる.

形態:
雌成虫は0.4~0.8mmの球形,雄成虫と第2期幼虫は細長い糸状.形態はジャガイモシストセンチュウにきわめてよく似る.

加害作物:
【野菜】ナス科野菜.
接種試験によると,よく寄生するのはトマト(品種:桃太郎)およびナスの台木として使われるヒラナス(品種:アカナス),スズメノナスビにはごくわずか,ミニトマトおよびトウガラシ・ピーマンには寄生しない.

被害と生態:

加害を受けたナスは,葉が著しく萎凋するとともに,生育が悪くなる.
(2012.1.30 皆川望)

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ナスのタバコシストセンチュウ雌成虫(山下泉)

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ナス根のシスト(山下泉)

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ナスの被害(山下泉)