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ゴレンシトリバ

Diacrotricha fasciola Zeller

英名:starfruit flower moth

チョウ目トリバガ科

2015-07-15 最終更新

2005年11月に沖縄本島北部のゴレンシ(スターフルーツ)を栽培する施設で最初に確認された.国外ではインドや東南アジア、台湾などに分布し、わが国へは侵入害虫と考えられる.スターフルーツおよび同属のAverrhoa bilimbi (Bilimbi)を寄主とし,幼虫が蕾や花,幼果を食害する.

形態:
成虫の体色は全体的にやや白色で腹部背面は灰白色.前翅中央部から先端部にかけてやや黒ずんだ灰褐色を呈する.前翅開張が約15mmで体長が約6mm.蛹の体長は約5mmで,やや赤みのある乳白色で背面に黄色を帯びた刺毛を多数有する.幼虫の体色は淡緑色から淡桃色を呈し,全体に多数の刺毛を有する.

加害作物:
【果樹】ゴレンシ(スターフルーツ)

被害と生態:
沖縄県内における本種の発生時期や世代数,分布域など詳細な生態については不明である.被害を受けた農家によると,幼虫はおもに花穂に寄生して蕾や花,幼果を好んで食害し,激しいと花穂全体が落下する場合がある.また幼虫は寄生部位によって体色が変化し,花穂では淡桃色を,新葉では緑色を帯びる.成虫の飛翔はそれほど俊敏でなく,葉裏や果実に常に前翅を開いた状態で定位する.蛹は葉裏や果実に垂れ下がるように付着する.
(2011.8.26 佐渡山安常)

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ゴレンシトリバ成虫(新垣則雄)

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ゴレンシトリバ幼虫(新垣則雄)

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ゴレンシトリバ蛹(新垣則雄)