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ヒメキンバネツツミノガ

Coleophora mayrella (Hübner)

チョウ目ツツミノガ科

2015-07-15 最終更新

シロクローバの実を食害するユーラシア西部原産の害虫.極東地方,北米,およびオセアニアの一部に侵入した.21世紀早々に,岩手県西部から秋田県にかけての多雪地から発見されたのが最初である.以後,東部太平洋側にも多少発生することがわかったが,被害は山間に限られ,平野部ではまったくみられない.北海道では未発見.

形態:
成虫はキンバネツツミノガによく似ているが,やや小さく開張約11mm,触角の基部側約半分は粗毛におおわれ,それより先は白く,暗灰褐色の輪紋がある.幼虫の筒巣もキンバネツツミノガに似るが,形成時期が異なる.

加害作物:
【牧草・飼料作物】シロクローバ

被害と生態:
幼虫は完熟した実に食い入って成長し,老熟が近づいてから筒巣を作り,以後は摂食せず巣内で越冬する.主として初夏に羽化するが,その時期はキンバネツツミノガよりやや遅れるらしい.もっぱらシロクローバに寄生し,アカクローバは害しない.
(2011.10.10 奥俊夫)

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ヒメキンバネツツミノガ成虫(東奥日報社、WEB東奥日報:あおもり昆虫記より転載) ※ この画像は当該頁に限って東奥日報社が利用を許諾したものです。