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キムネクロナガハムシ

Brontispa longissima (Gestro)

英名:coconut hispine beetle

コウチュウ目ハムシ科

2015-07-15 最終更新

1978年1月に沖縄県(沖縄本島)で最初に確認されたインドネシア諸島原産の侵入害虫で,ヤシ科植物の新梢を加害する.現在,鹿児島県沖永良部島,与論島,沖縄県沖縄本島,宮古島,多良間島,石垣島、西表島および小笠原諸島(父島,母島)に分布が確認されている.苗木の人為的移動により分布を拡大すると考えられる.

形態:
成虫の体長は8~10mm,扁平で頭部,中後胸,腹部は黒色.前胸は橙黄色~赤色で,前胸背板前方が横に張り出す.翅鞘の基部は黄褐色~赤色で他は黒色,橙黄~赤色の範囲は個体変異がある.翅鞘は,光沢を有し点刻列がある.老熟幼虫は体長約10mmで扁平,乳白色,腹部1~8の各節は側方から生じる1対の突起を有する.尾端には鈎状突起が1対ある.

加害作物:
【庭木】ヤシ類(ココヤシ,ヤエヤマヤシなど)

被害と生態:
成虫,幼虫ともに未展開葉の隙間に潜り込み,葉の表面を筋状に食べる.1日1雌当たり産卵数は1~2卵程度であるが,成虫寿命が長く,被害が長期間にわたる.ヤシ科植物は高木となるので,防除が難しい.
卵期間4~7日,幼虫期間23~57日,蛹期間4~7日,成虫寿命75~200日.休眠性はもたない.
(2011.9.20 望月淳・中村達)

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キムネクロナガハムシ成虫(菅野亘)

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キムネクロナガハムシ幼虫(菅野亘)

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ココヤシの被害(菅野亘)