2015-07-15 最終更新
1960年前後など,過去には西日本を中心に各地で度々大発生し,スギ,ヒノキ,アカマツ,クロマツ林に大きな被害を発生させた.最近では,スギの植林が減ってきたことによるものと思われるが,発生は散発的である.本州,四国,九州,伊豆諸島などに分布.
形態:
成虫は体長約3~4mmで光沢のある黄褐色.
加害作物:
【果樹】クリ,モモなど.
【庭木】スギ,ヒノキ,マツなど.
被害と生態:
成虫はマツ,スギなど針葉樹を食樹とするが,発生が多いとコナラなどの広葉樹にも被害が見られる.また,クリやモモなどの果樹でも食葉被害がある.マツやスギでは成虫による木の食害(後食)により,褐変,落葉が起こるが,被害は苗木,幼齢樹で大きく,枯死に至ることも多い.成虫の摂食活動は夕方から夜間に多い.成虫は6~7月に羽化し,落葉などに卵を数十の卵塊として産み付ける.8月中旬には成虫はほとんど見られなくなる.孵化した幼虫は地中で根を食害して成長し,2年を経過して蛹化したのち成虫となる.
(2011.10.16 竹内浩二)