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マンゴーキジラミ

Calophya mangiferae Burckhardt & Basset

英名:mango psylla,mango psyllid

ヨコバイ目ヒメキジラミ科

2015-07-15 最終更新

熱帯アジア原産のマンゴー害虫で,国外ではインド,フィリピン,台湾などの熱帯アジアで分布と被害が知られていたが,国内では1986年に沖縄本島で発生が確認され,1998年以降は鹿児島県奄美群島(奄美大島,徳之島,沖永良部島,与論島)でも発生している.2011年2月には鹿児島県指宿市でも一時的に発生した.ハウス栽培マンゴーで,幼虫が排泄する甘露によるすす病の被害が目立つ.

形態:
成虫の全長(翅端まで)は1.2~1.7mm.体は光沢のある黒色で,触角と脚は淡黄色.前翅は透明で,先端が平らな三角形状.幼虫は黄~黄緑色で,著しく扁平な逆三角形.

加害作物:
【果樹】マンゴー

被害と生態:
成虫,幼虫ともにマンゴーの葉や茎から吸汁する.産卵は新葉や新梢に行われ,幼虫は新葉の葉裏で葉脈に沿って群棲する.本種の被害はおもに幼虫によるもので,高密度の寄生と吸汁によって葉の黄化と落葉が引き起こされるほか,多量に排泄される甘露によって葉や果実にすす病の被害が生じる.国内での発生はすべてハウス栽培マンゴーにおけるもので,幼虫が付着した苗木の移動にともなって分布が広がっていると考えられる.異名はMicroceropsylla nigra (Crawford).
(2011.10.28 井上広光)

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マンゴーキジラミ成虫(井上広光)