2019-01-15 最終更新
病徴:
雌穂,葉鞘,茎に発生する.絹糸抽出期前後から発生が認められ,病斑ははじめ褐色で水浸状の数cmの小斑点であるが,次第に拡大し長辺が15cmを超える大型の不整形病斑となることが多い.新鮮な病斑は褐色であるが,古くなると内部が灰白色となる.雌穂の包皮に発生すると商品価値が損なわれるため被害が大きい.包皮の病斑は外側のみではなく内側にも及ぶが,子実にまで達することはまれである.また本病は葉鞘,茎にも発生するが,軟化腐敗に至ることはなく,折損・倒伏することはない.
病原:
Burkholderia gladioli(Severini 1913)Yabuuchi,Kosako,Oyaizu,Yano,Hotta,Hashimoto,Ezaki & Arakawa 1993
細菌の一種.桿状で極毛を有する.グラム陰性,好気性で40℃で生育し,カタラーゼ,ゼラチン液化は陽性,オキシダーゼ,アルギニンジヒドロラーゼ,硝酸塩の還元は陰性である.普通寒天培地中に非蛍光の黄色色素を産生する.病原菌はイネ,タマネギ,ネギおよびグラジオラスなどの花き類の病原菌として知られ多犯性である.トウモロコシ分離菌はタマネギ,グラジオラスに対する病原性が確認されている.
伝染:
伝染源について詳細な情報は得られていない.降雨の多い年あるいは多湿条件で多発すると考えられる.
参考:
http://www.agri.hro.or.jp/boujosho/sinhassei/html/H24/24-01.htm
(2017.12.9 相馬潤)