4.施肥
窒素の多施用や頻繁な追肥は、イネの抵抗力を弱めるとともに、生い茂りすぎることで株内の湿度が高まり、いもち病が発生しやすくなります。
稲作において最も重要な病害です。苗、葉、穂と、すべての段階で被害が発生します。
20?25℃前後の温度が続くと、病原菌の活動が活発になり、被害が急速に広がる
湿潤(急性)型病斑
(右写真参照)が多く発生します。
湿潤(急性)型病斑
いもち病菌の発芽・侵入には水滴が不可欠です。特に雨はいもち病発生の大きな原因となります。
湿度が90%を超えると胞子の飛散が活発になり、また胞子の発芽に必要な水滴も付きやすくなります。
病斑は湿度が高いと湿潤(急性)型となり病斑上に多数の胞子が形成されますが、低いと褐点型(右写真参照)になり、それ以上進展せず、胞子もほとんど形成されません。
褐点型病斑
イネは出葉後、成長するにつれて抵抗力を高める性質を持っていますが、日照不足になるとこの性質が抑えられ、病気に弱い状態が続いてしまいます。
窒素の多施用や頻繁な追肥は、イネの抵抗力を弱めるとともに、生い茂りすぎることで株内の湿度が高まり、いもち病が発生しやすくなります。
いもち病は胞子で伝染します。初め、
などから感染し、環境条件が整うと、下記図の過程をイネ体上で行い、植物内に侵入していきます。
苗いもちの葉鞘基部の病斑。立枯れを免れた発病苗を本田に移植すると、葉いもち早期多発の原因となる。