イネの収量に大きく影響する水田雑草。近年、各地で除草剤の主要成分であるスルホニルウレア系除草剤(以下SU剤)※が効かなくなったSU抵抗性雑草の発生が問題になっています。この特集ページでは、主なSU抵抗性雑草と防除方法を紹介します。 |
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出典 | 「内野彰 ( 2012 ) これまでに日本で除草剤抵抗性が報告されている雑草.   2012.4.16. http://jhrwg.ac.affrc.go.jp/weeds.html」より抜粋。 |
SU剤を散布した水田でSU抵抗性と思われる雑草が残ったときは?
残った雑草は中期剤や後期剤(茎葉処理剤)※で必ず防除する。
※シメトリン、MCPB、MCP、2.4-PA、ベンタゾンなどの成分を含む剤
SU抵抗性雑草を確認した最初の年は、既に雑草が大きくなっている場合が多くあります。そのままにしておくと、翌年さらに多くのSU抵抗性雑草が増える原因にもなるので、有効な中期剤や後期剤で必ず防除しましょう。
前年SU抵抗性雑草と思われる雑草が残ったときは?
SU抵抗性雑草に効果のある成分が入った一発処理剤を使用する。前年発生が多く見られた水田では、初期剤や中期剤、後期剤(茎葉散布)との体系散布を行う。
●最近はSU抵抗性雑草に効果のある薬剤が次々に登場し、防除の選択の幅も広がっています。
●雑草の発生がたくさん見られる水田では雑草の発生期間が長くなることから、効果の高い一発処理剤のほか、初期剤や中期剤との体系散布で防除することが大切です。
SU抵抗性と思われる雑草の発生がない水田
周りの水田でSU抵抗性雑草が問題になっている場合は、次年度にSU抵抗性雑草に効果のある成分(表1参照)が入った一発処理剤を使用して、発生を未然に防ぐ。
●SU抵抗性雑草は、一度発生が広がると、使用できる薬剤が限られてしまい、作業やコスト面での負担が大きくなってしまいます。周りの水田でSU抵抗性雑草の発生が見られる場合は、予防としてSU抵抗性雑草に効果のある除草剤を防除に取り入れる必要があります。
●周りの水田で発生が見られなくても、これまで同じSU剤を続けて使っている場合は、SU抵抗性雑草に効果の高い薬剤と交互に使用するなど発生を未然に防ぐことが大切です。